クリスマスイブですなぁ。
kimuraお兄さんの恒例の「クリスマスにNAVERに居るヤツは、人生の敗残者」スレで遊びながら、もう少ししたら子供の枕元にプレゼント置いてきます。(笑)
逆に、我々へのプレゼントは、第二期の日韓歴史共同研究委員会の韓国側委員長に、バファリン作戦で有名な李泰鎮くんが内定したことですな。(笑)

ってことで、24日付けの史料。
忠清南道の状況について、1909(明治42年)12月24日付『憲機第2587号』から。


忠南道藍浦郡郷校直員 尹邦鉉

右、一進会の提唱する合邦問題に反対し、数日前十三道儒生に通文を発したる由なるが、其文意は国民一般は同時に一進会員を声討せよとの、煽動的意味のものなりしと云ふ。

以上。



郷校というのは説明すると結構長くなるのだが、簡単に言うと儒教を学ぶ官立学校かな?
書院との違いは私学系か官立かといった感じ。

11月25日のエントリーでは金東弼が似たような事をしていましたなぁ。
ちなみにこの尹邦鉉。
1910年の5月に、別件で官員懲戒令によって免官されてしまうようです。

さて、続いてはアジ歴の史料から。
曾禰統監から桂首相への李完用の治療経過に関する電文より。
日付の箇所が不鮮明なのだが、恐らく24日と当たりを付けてここで紹介。(笑) 【画像】


昨日、大韓医院に入院治療後の経過、左の如し。

肩の痍は肺に入り、傷口より息を吹出し居る故適当に手当を為し、腰部2ヶ所の痍は随分大なれども腹腔内に入り居らず、此後肺炎を起さず経過せば見込あり。



李完用の生存の可能性は、ここで明らかになったのかな?
でもちょっとグロいね・・・。

続けてアジ歴の史料から、1909(明治42年)12月21日付24日受の『機密統発第2097号』より。 【画像1】 【画像2】 【画像3】


今回の日韓合邦事件に関し、在留外国人に於ても深甚なる注意を払ひ居るものの如く、英国総領事は欧字新■の記事論説等に就き質問を試み、事件の真相を本国政府に報告するに努め、又米国総領事が小松外務部長心得と会食の節、雑談中に言明したる所に拠れば、各地に於ける外国宣教師は韓人より事件の成行に就き続々質問を受くるも、帝国政府の真意を窺知するに由なくして返答に窮し居りたる際、本官の意見なりとて本邦新聞に記載せるものを韓訳して之を韓人に示し、決して杞憂を懐きて動揺するべからざる旨を諭したるに、孰れも初めて安堵の思を為したりと語れるに徴するも其の一班を推知せられ候。
蓋し我が保護権を韓国に行ひたる以前に在りては、韓民大抵地方官の横虐に苦しみ、常に外国宣教師の掩護に頼りて苦難を免れむとし、宣教師等も亦之を奇貨として其の勢力の発展に努めたるの状あり。
然るに数■以来行政改善の事業、漸次進捗するに至り、宣教師等が政治に関与するの有害なるを認めたるに依り、一方に於ては伝道■■其の他慈善事業の経営に対し、充分なる便宜及び補助を与ふるに吝ならざると同時に、他方に於ては其の■掌以外なる政治問題に関与するを防遏するの希望を以て、伊藤前統監時代より屡次外国領事官及主なる宣教師等と談合したるに、孰れも■して我が希望に応じ、領事官は各教会に訓示し、宣教師よりは其の部下及韓人信徒に諭告したる結果、今日に至りては基督教徒にして政治上の運動に荷担するもの少しと雖、多数の愚民中には教会に入るときは納税の義務を免るべきことと信じ、収税吏に暴行を加へたるの■あり。
又、外国の援護に依りて排日主義を貫かむとの■想を抱くもの稀なりとせず、現に近頃再び渡来したる「ハルバート」の如きは、其の嘗て自ら前韓皇の親書を米国大統領に伝達したるを以て、韓米條約第一條中韓国若し他国の虐遇を受くるときは、米国之を援護すべしとの規定を実行すべき仲介に当りたるに外ならざる旨を公言したる■なれば、韓人中外国に依頼せむとする■想を抱くものあるは、必ずしも恠しむべきに■ず、殊に露国及米国に在住するものの如きは、詭激の言論を弄じて遙に愚蒙の韓人を煽動するに全力を尽しつつあり。
今回の合邦問題の如きは、此等の排日派に対し民心を刺激すべき■■■を与ふべきは自然の勢なるべきも、幸にして是れ唯一進会の発表に出でたるに過ぎざる事実判明するに至りたるを以て、外国宣教師及韓人信徒に対し甚しき或動を与へざるが如く■見へ候。
■今に於ける在留外国人の状況御報告■■■■■也。



宣教師は、慈善事業の経営に対し充分なる便宜及び補助を与えてくれる事から、それ以外の政治的問題には関与しないとすることに応じた、と。
伊藤や曾禰の行った統監政治。
在韓日本人からは、韓国人や外国人を優遇し日本人を顧みないとされ、外国人には一定の理解を得られている。
合邦問題に関するこれまでの数多くの史料中でも、保護政治を批判している者は殆ど居ない。
現代韓国人や良心的日本人は、伊藤や曾禰を狡猾だと言うのだろうなぁ・・・。(笑)
良いことしたら狡猾。
悪いことしたら悪辣。
どうしろと?(笑)

で。
税から免れられると信じキリスト教に入信する者がいるのは、これまでも史料に何度か見えたが、収税吏に暴行かよ・・・。_| ̄|○

そしてハルバートは相変わらず元気に策動中。
お前が、フランス領事にハーグに使者を出すのは愚策だと言われたときに、よーく考えて高宗に進言してれば、高宗の退位や第三次日韓協約も無かったのにな。
ま、高宗から活動費をたんまり貰ってたわけで、それを返したくなかったのなら無理だけど。(笑)

兎も角、合邦問題が単に一進会の発表だけに過ぎないと分かって、外国人宣教師も韓国人信者も安心してスルー状態、と。
だからこの一件でキリスト教の動きが殆ど見られないんでしょうな。
李容九の買収も、総ての外国人宣教師には行き渡らないだろうし。(笑)

さて、次からは25日付の史料になります。
まずは大垣丈夫に関して、1909(明治42年)12月25日付『憲機第2591号』より。


大韓協会顧問大垣丈夫が、表裏の意見負抱として語りし要旨は左の如し。

一.彼が日韓合併問題に付き、表面日本の不利益とし、左の説を唱導し居れり。

第一.目下韓国上下人心の一般に沸騰し、排日熱の盛なる時に於て合併問題を実行せば益々人心沸騰し、容易に鎮撫せず、此間数年間日本人の各地方に出入し能はざるに至る。
之れより生ずる不利益。

第二.目下保護政策に於て、年々歳々日本より1,200余万の財を投じつつあるに、此上合併すれば3,000万円の増加を来すに至る。
之れ、日本が20億の国債に6,000万円の利子を計へつつあるに、3,000万円を加ふるれば一層我財政の困難に陥る不利益。

第三.日本は刻下、各国と関税問題及條約改訂の期に逼り居るに、今日韓国を合併すれば、各国は必らず反対し、野心ある外国は之に対し関税條約等に不利益なる條約を締結せんとするに至る。
之れより生ずる不利益。

第四.清国は、今尚何れの国に拠らんと迷ひつつあるも、先づ東洋の先進国に拠らんとの傾向を示し居るに際し、曩きに5條約・7條約後亦司法権委任等、徐々歩を進め居るを以て、之が為め疑心を抱き居れり。
然るに此際合併せば、必らず日本は東洋を併呑する野心を維持するものなりと即断し、為めに清国に於ける商業上にも不利益多大なりと。

以上の4箇目は彼の表面上唱導し居るも、内心は此際合併し根本の解決を望み居れば、東京に着の上は日本の意向に拠り日本政府より実行せんことを促す考へなりと。
尚ほ韓国に於ける政治団体は往々禍根を遺すこと多々あれば、実業団体を除く外全部解散を希望し、東京帰着の上は此意見をも桂侯等に談ずる考へなりと云へり。
以上。



さてこの話、どこまで本当なのかなぁ。
特に、「内心は此際合併し根本の解決を望み」と「韓国に於ける政治団体は往々禍根を遺すこと多々あれば、実業団体を除く外全部解散を希望し」の部分。
ま、判断保留しておきましょうかね。

続いて前回取り上げた新聞記者団に関する件。
1909(明治42年)12月25日付『憲機第2597号』。


今回新聞記者及通信員等に依り発表したる時局問題の宣言書及決議文を見たる韓人等は、非常に恐怖心を起し、曩に一進会をして合邦論を提議せしめ、今又日本に於ける新聞紙及韓国に於ける新聞通信員等、等しく合邦論を主張するに至れり。
右は総て日本政府当局者が、之等を使嗾して為さしめ居るものなりとの説を流布し、一般に恐怖心を起し居るが如し。
以上。



何故かこの宣言書と決議文、史料に見あたらないんですよねぇ。
まぁ、山辺健太郎の『日韓併合小史』の232から234頁に載ってるらしいね。
今度見てみたいなぁ。

で、この宣言書。
WEB上で取り沙汰される時は一進会の不支持云々で用いられるわけですが、当ブログの読者の皆さんはもう御承知ですよね。
単に新聞記者団と内田良平が主導権を巡って対立し、且つ新聞記者に買収の噂が立ってたから出された宣言書なわけです。
また、宣言書の骨子も12月18日のエントリーで取り上げた『警秘第4458号の1』によれば、「一進会の合邦案には反対。しかし韓国内閣及び大韓協会の行動も不支持。日韓合邦は時機を見て実行を希望。」ですし。

何つーか、反対の理由も分析もしないで史料使うって、阿呆じゃなかろうか、と。
「合邦」自体に消極的賛成や、時期尚早で反対ではないとする意見を多数史料で見てきた私には、何で「一進会不支持」ってのがそんなに大事なのか、さっぱり分かりません。(笑)


じゃ、プレゼント置いてきますんで、今日はこれまで。


合邦問題(一)   合邦問題(十一)   合邦問題(二十一)   合邦問題(三十一)   合邦問題(四十一)
合邦問題(二)   合邦問題(十二)   合邦問題(二十二)   合邦問題(三十二)   合邦問題(四十二)
合邦問題(三)   合邦問題(十三)   合邦問題(二十三)   合邦問題(三十三)   合邦問題(四十三)
合邦問題(四)   合邦問題(十四)   合邦問題(二十四)   合邦問題(三十四)   合邦問題(四十四)
合邦問題(五)   合邦問題(十五)   合邦問題(二十五)   合邦問題(三十五)   合邦問題(四十五)
合邦問題(六)   合邦問題(十六)   合邦問題(二十六)   合邦問題(三十六)   合邦問題(四十六)
合邦問題(七)   合邦問題(十七)   合邦問題(二十七)   合邦問題(三十七)   合邦問題(四十七)
合邦問題(八)   合邦問題(十八)   合邦問題(二十八)   合邦問題(三十八)   合邦問題(四十八)
合邦問題(九)   合邦問題(十九)   合邦問題(二十九)   合邦問題(三十九)   合邦問題(四十九)
合邦問題(十)   合邦問題(二十)   合邦問題(三十)     合邦問題(四十)     合邦問題(五十)