アジ歴の停止以前に、次の連載何やるか考えなきゃ駄目な事に気付いたdreamtaleです。(笑)
ども。

今日も1899年(明治32年)2月27日付『機密第5号』の続きを見ていきます。
というか、残り2画像なのに今気付いた・・・。
( ゚д゚)・・・。
配分、かなり間違ったかも知れん。
というわけで、今回で連載終わりらしい。(笑)

それでは見ていきましょう。

形勢如此なるを以て、閔泳煥、朴定陽辞表を呈して退隠し、曾て民会の反対したる沈相薫、閔泳綺代って内閣に列するや、此に全く民会の意志に相反する所の内閣は組織せられたり。
如此現象に対し、民会員の恐慌不一方、有志者中殃の其身に及ばんことを恐れ難を避くるもの多く、中には再び民会を嘯集し反対運動を開始せんとするものなきに非るも、会員中多くは活路に窮し(曾て官吏にして、民会に参加したる為め免官せられたるもの多し)、志気為めに振はず、且時正に窮冬極寒に際し行動自由ならざる等、時期未だ利あらざるを見て、忍んで沈黙を守れり。
然れども、是れ恐らく永久の沈黙にあらざるべし。
春風和暢の交に及ばば、或又死灰再燃の虞なきを保すべからず。
但し、閣員中沈相薫、閔泳綺、兪箕煥等、已往に鑒み大に反省する所あり。
爾来力めて民意に逆らざる方針を執り、民怨を解かんとするの傾向あるに付、幸に今日の内閣能く其歩調を一にするに於ては、或は意外に能く官民間の平和を維持し得べき哉も計るべからず。
前回、やはり裏切って5凶等を赦免、放免したわけで、閔泳煥や朴定陽は退隠。
しかも、以前民会が反対していた沈相薫や閔泳綺が入閣し、万民共同会員の恐慌は一方ならず、有志者の中では禍が自分の身に降りかかることを恐れて逃げる者が多く、再び万民共同会を開いて反対運動を開始しようという者がいないわけではないが、会員の多くは以前官吏だった者が万民共同会に参加したために免官になる等、活路に窮しており志気が上がらず、おまけに寒いので行動もままならないため沈黙。
んー、ガタガタになっちゃったんだねぇ・・・。

しかし、この沈黙は長くは続かず、春を待って再び再燃する恐れが無いわけではない。
ただ、沈相薫、閔泳綺、兪箕煥等は過去を振り返って反省する所があり、それからは民意に逆らわないような方針をとって、怨みを解こうとする傾向があり、現在の内閣が歩調を合わせれば、案外そのまま平穏を維持するかもしれない、と。
万民共同会、最初の目的を忘れてる予感・・・。(笑)

露国公使の更迭は、一部人士に多少の野心を起さしめたる形なきにあらざれども、新公使も亦事情に慣れずして何等着手する所なきを以て、此輩は稍失望せるものの如し。
露公使は、目下一に韓国上下の人望を収むることを是れ努め、徐々に他日運動の地歩を固め居るものの如く被見受候。
本官は、先年露都在勤中より同人とは知人に有是、其着任後屡々会見致候内第一に宣言致候は、自分は3ヶ月在勤の予定にて、3ヶ月の後には賜暇を以て一応帰国するに付、其間に克く当地の事情を研究し、追て露都帰着の上親しく其筋へ報告可致考なれば、其前書翰又は電信にて意見を申送るが如き事は為さざるべし。
韓国に対しては、成るべく日露協同の力に拠りて無事を保たしめ、我等は全く無干渉の地位に立ちて、不充分ながらも彼等自ら国務を経営する様為致度。
今日迄の経歴を見る意、韓国は恰も2、3強国の玩弄物と相成り、自国は頓と格別の結果を収めざりしが如し。
将来は、成るべく玩弄物と成らざることを希望すと云ふに有之。
其後、実際の行動を見るも、韓廷に対しても又た各国公使に対しても、更に立入りて国事を談ずる等の事も無之候へば、同人の為め差当り漢城の政界を驚かさるる如きことは、可無之と存候。

右、本官帰任より今日迄の政況及具報候。
敬具
最後の報告は、ロシア公使パブロフの動向について。
ロシア公使がマチュニンからパブロフに代わった事で、一部には多少野心を起こした者が無いわけでは無いが、パブロフもマチュニン同様大韓帝国の事情に疎いため、何か行動を起こすような事もなく、そういった者を失望させたようだ、と。
恐らくは、親露派の話でしょうね。

現在パブロフは、まず韓国人の人望を集める事に努め、徐々に後日運動するための地歩を固めているようだ、と。
加藤は、ロシア在勤中からパブロフと知人であり、着任後からたびたび会見してきたが、まず彼が宣言するには自分は3ヶ月で暇もらって帰国するから、その間に韓国の事情を研究してモスクワに帰ったらその筋に報告するから、その前に書翰や電信で意見を送るような事はしないよって、そんな外交官居るかよ。(笑)

韓国に対しては日本とロシア共同で無事を保ち、無干渉の位置に立って不充分ながらも韓国人自身で国家運営するのを見守ろうよ、と。
で、これまでの経歴を見るに、韓国は2、3強国のおもちゃとなって、韓国自身は格別の結果を収めていないようなので、将来はなるべくおもちゃにならない事を希望すると述べるわけですが、韓国人自身が国内の権力争いのために、諸外国を引き入れる悪い癖があるわけで。(笑)

そして加藤は、実際の行動を見ても、韓国政府や各国公使に対しても、韓国の国事に立ち入って話すような事も無く、パブロフのためにソウルの政界を驚かせるような事は無いと思われる、と。
実際には、そのわずか3ヶ月の間に、特に厳尚宮が皇后になりたがっているのを利用して、色々と糸を引いてくれちゃう事になるんですがねぇ・・・。(笑)
まぁ、加藤の在露時代の知人だという、ひいき目もあるのかも知れませんねぇ。


さて、これで今回の連載は終わりです。
勿論この後も、先に述べた厳尚宮が皇后になるに際して色々と問題が起きたり、守旧派内閣が連座制を復活させようとしたり、またぞろ日本の馬鹿壮士が韓国の馬鹿壮士と組んで爆裂弾事件起こす等混迷はまだまだ続くんですがね。
飽きてきたので、今回の連載は万民共同会の運動の終焉を以て、終わらせていただきたいと思います。(笑)
それでは。


(了)



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