スチーブンスの最後の手紙。
予感がしていたのか、何なのか・・・。
ってことで、連載4回目です。
まだ、スチーブンス死去に伴う諸々の処理の方が先にたって、事件そのものについての情報はほとんど無い状態ですが。

今日はまず、曾禰副統監から林外務大臣への照会。
1908年(明治41年)3月29日付『往電第167号』から。

第18号
在京城米国総領事は、「スチーブンス」氏葬式の日を以て、半旗の弔礼を表したき旨申出たり。
当方に於ても追悼の式を挙げたきに付、同氏埋葬の時日確定次第電報ありたし。
弔意を表するために反旗掲揚。
そのために、スチーブンス埋葬の日時確定次第、連絡くれ、と。

で、林外務大臣から曾禰副統監への返事。
1908年(明治41年)3月30日付『来電第110号』より。

第34号
「スチーヴンス」遺骸は、4月2日桑港発にして華盛頓へ送り、同地にて正式に葬儀執行の筈なり。
スチーブンスの遺体は、4月2日にサンフランシスコからワシントンに送られ、そこで正式な葬儀が行われる筈だ、と。
出身地なのか、前回の最後の文で述べられていた2人の姉妹がそこに居るのかは分かりませんが・・・。

ここで、そろそろ事件に関する史料が出てきます。
林外務大臣から曾禰副統監への、1908年(明治41年)3月30日付『来電第33号』。

「スチーブンス」殺害事件裁判進行と共に、検事等の希望に依りては韓国に於ける我施設、殊に韓国の進歩開発を援けたる事実、韓国に於ける我行動を非難するの不当なること等を証明するの材料等必要なるべきに依り、之に関する記録等取揃へ、至急送付ありたき旨小池桑港総領事より電稟ありたり。
就ては、右書類御取調の上、至急当方に郵送ありたし。
裁判について、検事より韓国での日本の施政、韓国の進歩開発に寄与した事実、韓国での日本の行動を非難する事が不当である事等を証明する材料が必要なので送れ、と。
検事側は、韓国人等が妄想でスチーブンスを撃ったという線で裁判に望むんでしょうな。

さて、この史料には、アメリカの新聞記事の邦訳が添付されているので、そちらを見てみましょう。
まずは、1908年(明治41年)3月25日付サンフランシスコ・クロニクル所載記事より。

「デューラム・ダブルユー・スチーブンス」暗殺の為め市庁監獄に拘禁中の張仁煥は、彼の行為の正当なること表明せんが為め、一連の陳述書を認めたり。
其訳文次の如し。

予が本国は、日本の保護以来全然悪化せられたり。
「スチーブンス」氏は、韓国覆滅の計画を建てんが為め日本に加担せり。
之れ、氏が日本の為めに顧問として任命されたるが故■ら、氏は此地に於て談りし如く、日本の一大親友たるなり。
氏は、韓国に仕へんが為めに韓国政府より俸給を受け、却て日本の為めに、日本人に依りて韓民に対し数多の迫害を為せり。
氏の韓国に在りし間は、韓国の為めに何事かなし居りしものの如くなりき。
然れども、皆之れ虚偽たりしなり。
氏は、予を以て大勢を誤解せる痴漢なりと呼べり。
然れども、其は他の人を欺かんとする氏の手段なり。
氏は此地に於て口外せしと同様、虚説を伝布せんが為めに合衆国に帰省せり。
予にして若し我が生命を顧慮し、其の自由放言に任ぜんが、我国の前途の光明長へに滅すべきなり。
日本は、世界各国より受くる拘束により韓国を意の如くする能はず、茲を以て米国民の信用を買はんが為めに、「韓国の米人顧問」なる名称を付して「ステーブンス」を合衆国に派遣することを企て、以て其の施設は韓国の為めに美を済すものなりと信ぜしめんと術策せしものなり。
氏は、新聞紙に於て氏が韓国の為めに一大親友たることを云へり。
氏の如斯云へる所以は、米国民に氏の所言を信ぜしめんと欲したるが故なり。
予は氏を殺さずして如何にすべき。
我国民の数百万は、氏の謀に由って殺されたり。
氏が再び韓国に帰着するに及んでは、人民更に同様の殺戮に遭ふべし。
茲を以て予は、邦家の為め氏を狙撃し、以て已に殺戮に遭ひたる国人を慰藉し、且つ他日「ステーブンス」氏に殺されんとする国人を■はんとせり。
吁生何かあらん。
人は、死すべき道を知ることを要す。
予にして氏を殺し、我亦茲に死せば、是れ我国家の光栄にして又民人の幸福ならん。
お前は、NAVER韓国人か。(笑)

漠然とした事しか言ってないのでツッコミもしづらいんですが、「我国民の数百万は、氏の謀に由って殺されたり。」とか、お前それ半島から人いなくなるから。(笑)
大体、外国の領事館もあるわけで、それが事実だとしたら非難囂々ですから。
しかも、ハーグの密使すら失敗するわけで。
妄想だけでスチーブンス非難とか、もうNAVER韓国人そのまま。(笑)

続いて、1908年(明治41年)3月24日付ロサンゼルス新聞所載記事抄訳より。

(前略 病院内の出来事なり)

張は今や通り過ぎんとする「スチーブンス」を詈り叫びて曰く、足下は我国の売国奴なり。
足下は我国民を亡ぼさんが為めに、日本に養はれ居れり。
足下は、我々より金を搾り取らんとするの外何等をもなしたることなし。

「スチーブンス」は微笑せり。
氏は衰弱しつつあり。
氏曰く、憐むべき痴漢なるかな。
汝は何事をも知らぬと見ゆ。
予は汝等に悪意を持つものにあらず。
汝の無識は汝に禍す。
予は、汝の所為に向って汝を責めざる可し。
予は3年間汝の国民とともに住み、多数の親友を有せり。
故に彼等は善く予を知る。
恐らく汝は、之を知らざらん。
予は、汝が之を知らんことを欲す。
「この売国ヤツよ!<#`Д´>」という張仁煥に、微笑みながら「可哀想なヤツ。( ´H`)y-~~ 」と述べるスチーブンス。

お前は、NAVER日本人か。(笑)


1908年(明治41年)3月24日付ロサンゼルス新聞所載記事抄訳はまだ続きますが、長くなるので今日はここまで。



スチーブンス暗殺事件(一)
スチーブンス暗殺事件(二)
スチーブンス暗殺事件(三)